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私は初対面のお客様にお会いして、住宅設計を始めるとき、必ず「どんな家にしたいかを箇条書きにしてみてください。」とお願いすることにしています。
そうすることで、その方や、ご家族の住まいに対する思いや暮らし方が見えてくるからです。
これまで何十件と住宅を手がけてきましたが、暮らし方が同じご家族はありませんでした。

また、ちょっと矛盾しますが、マンションなど同じ間取りの家で、どんな暮らし方ができるのかシュミレーションしてみるのも大好きです。同じ間取りなのにお隣同士でぜんぜん違った家になっている、なんていうことがあるでしょう?ましてや、昨今の分譲マンションでは将来の間取り変更にも対応できるよう考慮されています。マンションのチラシを見ながら、間取り変更の可能性を考えるのも楽しいものです。
借家社会の発達したアメリカと違い、日本はまだまだ持ち家信仰が根強くあります。一度手にいれた住宅を、家族の成長や老化と共に変化する暮らし方にあわせながら、一生使うのは結構難しいことです。暮らし方が変化するたびに、アメリカのように住み替えられればいいのですが、それが難しい日本ではフレキシブルな住宅を新築されることをお勧めしています。

家族が5年後、10年後どうなっているか、暮らし方がどう変わっているか想像しながら新築計画を練ってみてください。将来を予想するのは難しいので、〇〇になっても◇◇になっても大丈夫なように工夫するのが良いと思います。一通りの暮らし方にしか対応できない家ではなく、考えうる暮らし方が多い家ほど飽きずに長く住むことができます。その点間取り変更可能なマンションはいいお手本です。
 私たちが設計した家が良い家になるかどうかは、お客様の住み方、住まいの愛し方で決まります。だからこそ私はお引渡のとき「手塩にかけた娘を嫁にやる気分です。ふつつかですが、末永くかわいがってやってください。」といっています。今のお住まいに不満はあっても新築はできない方!もう一度見直して見てください。ちょっとした工夫で暮らしよくなるかも知れません。新築するだけが方法ではありません。
最近はリフォームも住まいの愛し方の立派な一つの方法です。

あなたの『住宅は家族の生活の器』を可愛がって下さい。


 

ほんとうに十人十色、百人百様に思いが違い、家族構成の組み合わせも違うわけですから、家族の暮らし方はほとんど天文学的数の組み合わせがあるということです。『住宅は家族の生活の器』といわれます。とすれば、住宅の設計も天文学的種類があってもおかしくないということです。だからこそ住宅設計は奥が深く、「設計は住宅に始まり住宅に終わる」といわれる所以で、私は住宅設計に取り付かれてしまっているのです。